ベルリン元旦初雪景色2008

あまりの長さに、もうクリスマスで切り上げてしまった2007年も、ついにゴールいたしました。万歳三唱。

やっと2008年です。明けましておめでとうございます。

 

ベルリンでは、個人が花火を打ち上げるのは、年末年始の数時間だけしか許可されていないので、その反動か、ニューイヤーの始まりには、ここぞとばかりに、ものすごい数の花火が、町中で打ち上げられる。ベルリン市が打ち上げる、ひときわ盛大な花火の打ち上げ会場でもある、ブランデンブルグ門の周辺は、ニューイヤーパーティー会場と化し、そのためにヨーロッパ各地から集まってくる若者の数もすごいらしい。とはいっても、とてもとても、その人ごみに出てゆく気はしないので、部屋の窓からティアガルテンの森越しに花火見物が、私の年越し。夕方8時を過ぎると、あちこちで、ひっきりなしに爆竹と花火の音が響きはじめ、猫は、奥の奥の部屋の机の下の奥のほうに、体を固くして引っ込んでいる。この音は、怖いよね。

 

午前零時の教会の鐘がなると、ひときわ爆音が高くなって、本当に街中から花火が上がる。ブランデンブルグ門から打ち上げられる、一番大きな花火でも、日本の花火に比べると、ちょっと芸術性にかける気はするが、ここはもう数で勝負という感じ。森の梢の向こうの目の届く範囲で、ひっきりなしに花火が打ち上げられる。12時半を回る頃には、街中の空気が、火薬くさくなり、時折、救急車か、パトカーかのサイレンが聞こえ、遠くがかすんで見えるくらいになる。

 

そういう音が、午前零時から２時間近くも続くけれど、やがて打ち上げる花火も尽きて、夜が明ける。元旦の朝は、ベルリンの1年で、一番静かな朝。ベルリンの街から、人も車もすべて消えてしまったのではないかと思うくらい静かだ。そういう不思議な時間は、めったにないので、ひんやりと新鮮な空気の中を、森の散歩に出かける。天気は花曇り。池の表面は、そろそろ凍りかけている。今年は、まだ本格的な寒さは、来ていない。葉っぱの表面についた霜の写真を、マクロのレンズで撮ったりしていると、細かい雪が舞い始めた。降ってくるというよりは、風に乗って、小さな小さな氷の粒が飛んでいるという感じ。家を出たときは、それほど寒さを感じなかったけれど、だんだん耳が冷たくなってしびれてきた。

 

家に戻って、お餅を焼いてお雑煮をつくる。大根を薄切りでいちょうに切って、にんじんは花形。昨日から戻しておいたしいたけの表面に、十字の飾りの切り目を入れて、あとは、鶏肉とねぎ。取っておきの昆布とかつぶしでだしをとり、しいたけの戻し汁に、お醤油をちょっととみりん。こんなかんじだったっけ。うろ覚えのいい加減だけれど、和食を作ることがほとんどない生活なので、これだけでも、かなり特別なお正月の気分。

 

お餅は、去年いただいたものが、真空パックの魔術で、まだ賞味期限内。このニーマイヤーハウスの足元のＶ字のストラクチャーと同じ形に切ったのを焼いて、ニーマイヤー風雑煮にする。なにも正月元旦の朝から、工作することもないと思うが、何しろ、この家を建てたニーマイヤーが、現役100歳を迎えたばかりの正月だ。おめでたいものは、全部入れてしまう。ゆずはないので、ライムの皮をそげて糸状に切り、お椀に盛りつけたお雑煮の真ん中にのせ、新しいお箸をおろして、お正月。

 

ふと窓の外を見ると、いつの間にか、ボタン雪が、ふわりふわりと舞っている。また、しばらくしたら消えてしまうのかな、と思って本を読んでいて、ふと顔を上げると、もう外は銀世界になっていた。元旦、初雪景色のベルリン。暖冬で、雪景色にならないクリスマスを迎えていたエストニアでも、朝から雪が降り出したとのメールが入る。やはり、北国の冬は白くなくては。

 

 

MERRY MERRY WHITE GANTAN 2008!

 

 

阿部　雅世　公式サイト　MasayoAve creation  www.macreation.org

 

 

 

 

 

 

コメント 1

日本に暮らす我われより
よっぽど正しい日本の正月を過ごされていますね。
ニーマイヤー風雑煮!!

年が明けてもうひと月が過ぎようとしていますが、
ギリギリ月の内ですからご勘弁ください。

明けましておめでとうございます！

インターナショナル庭師（スピリットガーデナー）となるべく、
自分なりに少しずつ準備を進めております。
本年も昨年同様よろしくお願いいたします。
by 井の頭・浜中 (2008-01-30 00:53)