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はちさん2号ウェルカムバック

1号マーヤのはちさんが来なくなって、つまらない数日を過ごした。また、ふらっとやってくるかもしれないので、はちみつのおさらは、そのままにしておいた。

部屋の掃除をしようと、ベッドの足もとのソファーに積んであるクッションをどかしたら、そこに、小さく体を丸めたまま羽根を開いて乾いたはちさんが一匹いた。白い紙にのせて、虫めがねでよく見ると、鼻のところに黒い点のついた、1号マーヤだった。乾いて死んでしまっても、笑っているような顔をしていた。もしかしたら、働き蜂人生の最後のお別れにぶんぶんとあいさつに来たのに、私がガーゴー寝ていて気がつかなかったのかもしれない。悪いことをしてしまった。それでも、ここで命を全うしたのなら、ここでお弔いをしてあげましょうと、きれいな花の咲くベゴニア系の植物の鉢の土に小さな穴を掘って埋めて、小さなピンクのお花を上にのせた。

ベルリンは、相変わらず寒い夏が続いている。もうこれで、今年のはちさんの季節は終わりだな、と思って、はちみつのお皿も片づけた午後、き、来た。はちさんが一匹飛び込んできた。おお、仮面ライダーV3の登場か!?しかし、1号マーヤのように、蜂蜜ください、と主張に来るわけではなく、鏡にぱつんぱつん頭をぶつけたりしながら、神経質に部屋の中を飛び回っているだけなので、大慌てで蜂蜜を皿に盛り、どうぞ~、はちみつここです、どうぞ~、と、皿を持って追いかけまわして、やっと気づいてもらった。

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むむっ。そのおかおの隈取りは、その羽根のつき方はもしや・・・。

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・・・2号ウィリーではないか!ウエルカムバック、2号ウィリー。

2 号ウィリーは、うまいうまい、と蜂蜜を飲んでいたが、やがておなかが一杯になると、立ち食いそば屋を後にする忙しいサラリーマンのように、そそくさと窓から外に飛び出して行った。ごちそうさまの喜びの舞をするわけでなく、その辺は、1号マーヤとは随分違い、その後また帰ってくるわけでもなかったが、そういう性格のはちさんなのだ、2号ウィリーは。ウィリーには、ウィリーなりの考えがあるのだな。まあいいや。また気が向いたら、いつでもおいで。蜂蜜のお皿はそのままにしておくことにした。

 

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阿部 雅世 公式サイト MasayoAve creation  www.macreation.org

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