昇り竜2012
目の前に立ちはだかる「やること」の山を、なりふり構わず片づけているうちに、元旦も一瞬で通り過ぎて、もう21日である。1月23日は、ルナニューイヤーデー(旧正月の元旦)だそうだ。シンガポールからのメールで、本格的なドラゴンイヤーの到来を知る。
昨年は、自分のために出かけることがほとんどない一年だったので、年末に急に思い立って、「仕事の山」ではなく、「本物の山」を見るために、2012年の元旦はチューリッヒで過ごすことにした。ベルリンは、周囲に山のない、ぺったんこな土地に上にあるので、スイスやオーストリアの国境近くまで南下しないと「本物の山」に出会えない。世界には、山のない国もあり、海のない国もある。欧州にいると、海彦山彦がバランスよくそろっている国は、実は珍しいことに気づく。
暖冬で、曇りと雨のぱっとしない年越しだったが、元旦の午後に急に明るく晴れてきたので、チューリッヒで一番標高が高いという丘の上に行ってみることにした。風が強く、ものすごい勢いで雲が流れていて、丘の上の吹きさらしの展望台に上ると、ちょうど緞帳が開くように雲が移動して、神々しいような立派な山々が姿を現した。そして、空を見上げると、見たこともない見事な昇り竜が、にょろにょろと体を伸ばしながら、頭の上を昇ってゆくところだった。
これです。これが見たかったのです。大変満足。というわけで、おそばせながら、2012年最初の発見物「昇り竜」を、新年のご挨拶代りにお送りします。
たくさんの小さな希望を発見しながら匍匐前進する、よい年になりますように。
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阿部 雅世 公式サイト MasayoAve creation www.macreation.org
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