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エストニア始動

気がつけば、石畳の上にも18年である。タイトル更新。9月から、エストニアの首都タリンにある、エストニア芸大に、プロダクトデザイン学部長兼教授として、ベルリンからの飛行機通いが始まった。国外の学校や企業とのネットワークを強化して、新プロジェクトを立ち上げる、というのが、学部としての最優先課題なので、エストニア最強の秘書とアシスタントとのチームワークに支えられて、学内での仕事は、1ヶ月に1度、1週間にまとめてこなし、あとは、インターネット、スカイプ、携帯電話などの文明の利器を、300%活用して、遠隔操作でこなしているけれど、なにしろ、良く考えたら、知らない国の、知らない大学で、学部まるごとを引っぱる仕事をひきうけてしまったわけで、当然のことながら、エストニア滞在中はパワー300%全開の、休憩なしで1日18時間労働という感じ。

ベルリン、タリン間の飛行時間は、1時間半だけれど、帰りは飛行機の座席に座るなり気絶。で、一瞬の後、目を開けると、もうベルリンの空港についているという状態で、これはほとんどワープである。近いなんてものじゃない。さっき、タリンの石畳の上を歩いていたのに、気がつくと、同じ自分が、ベルリンの石畳の上を歩いているのは、まぎれもない現実である。ああ、これぞまさに21世紀だなあ、と思う。

エストニア語は、ドイツに戻ると、すごくドイツ語が分かるような気がするくらい、ちんぷんかんぷんだけれど、音は日本語にとても似ている。言葉の語源は同じところにあるらしい。フィンランド語(エストニア語よりも日本語)、ハンガリー語、トルコ語の一部、モンゴル語、そのあたりは、日本語とルーツがつながっているという。エストニアでは、学生も職員も、驚くほど英語を使えるので、ドイツ語学習すら、かなり滞っている私が、この上、エストニア語が、できるようになるとは、到底思えないけれど、基本の絶対はずせない3つの言葉は、ともあれ覚えた。「ありがとう」が「アイタッ」。発音は、日本で、むこうずねを家具にぶつけた時と、そっくりである。「こんにちは」が「テレ」。テレちゃう、というときの、テレと同じ発音。「どうぞ」が「パルン」。これは、日本語にはない。

でも、仕事を始めると、4つ目の言葉が必要だ、というのは、長年のヨーロッパ生活で覚えたこと。この4つ目の言葉は、国によって違うのだけれど、これが使えると使えないとでは、仕事の進み具合に天と地ともの差が出るというもの。最初の1週間の滞在で、みっちりエストニアを観察した後、私が、覚えることにしたのは、「ミダギ オン ヴァレスティ」という一言。Something wrong....の直訳。日本語で言うなら、「それはちょっと・・・」というところか。

エストニア人というのは、笑ってしまうくらい日本人に似ているというか、ずばずばと、面と向かって、意見をぶつけ合う、というのが、とてつもなく苦手らしい。イタリアでは、「それはちょっと・・・」くらいでは、蚊が止まったほどにも、感じてもらえないので、はっきり、しっかり、ずばっと中心をついて話をしないと、お話にならないが、どうも、エストニアで、イタリア式は、うまくないらしい。ならば、日本式でいってみるか、というのが、このトライアル。今月の滞在では、「ミダギ オン ヴァレスティ それはちょっと・・・(違うんじゃないでしょうか・・・)」を、1日に5回は使った・・・というところで、ブログもようよう更新できないほど、なかなか大変な日々を送っているということを、感じ取っていただき、更新不足をお許しいただければ、幸いです。

阿部 雅世 公式サイト MasayoAve creation  www.macreation.org


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