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2007年謹賀新年

ちっとも冬らしい温度にならぬ暖冬のまま、ベルリンの2007年も、無事明けました。

おめでとうございます。

 

ヨーロッパの冬休みは、日本と1週間ずれている。こちらのクリスマス休みが、日本の正月休み、という感じ。1224日クリスマスイブが大晦日、カトリックかプロテスタントなら、夜中に教会のミサにいそいそと出かけてゆくところも、初詣に良く似ていて、そして、25日クリスマス当日が、家族が集まってご馳走を食べる元旦、それから、親戚周りの三が日が続き、そろそろご馳走にも飽きたころ、友達とお正月あけの新年会を、新年の花火でハッピーニューイヤー!と祝って、一晩ドンちゃん騒ぎ、1日はぐっすり寝て、2日から仕事始め・・、というのが、典型的なクリスマス休みの過ごし方。私を含めたクリスチャン以外の人にとっては、初詣も、親戚周りもないけれど、ただただありがたき、冬休みだ。

 

もっとも、そういう長い休みになるのは、学校と一部のオフィスだけで、街のお店は、25日、26日が休みで、27日から31日は働いて、1日が休みで、2日からまた働いている。ドイツは、州によって祝日が違っていて、カトリックの割合の多い南ドイツでは、キリスト教がらみの祝日が多く、年間の祝日は15日。プロテスタントの割合が多く、さらに、住民が多国籍多宗教を極めるベルリンでは、ドイツの中でも極端に祝日が少なくて、年間11日である。

 

昨年は、1月2日からの大学の集中講座を受け持っていたので、日本人としてはなんだかなあ、と思いつつも、年が明けるなりいきなり働き始めて、そのまま働き続けてしまった1年だったけれど、今年は大学の初日が8日からなので、久しぶりにボーナス休暇をもらった感じ。ありがたや、ありがたや。

 

私にとって、冬の休暇は、ゆっくりと一人で昨年をかたづけ、来年を準備し、懐かしい友人に会い、一年で一番ほっとできる休みである。とはいっても、この休みにたどり着くころには、どこかへ休暇旅行に出かける力はもう残っていなくて、たいていは、1年のマラソンを終えて、へとへとのよれよれで、ゴールに倒れこむようにして、クリスマスに突入する。

 

毎年、坂がきつくなるのか、荷物が重くなるのか、年を取るごとに、1年が、1ヶ月が、1週間が、1日が、長くなる。ベルリンへの引越しと新生活のセットアップが、思っているよりヘビーだったのか、2006年は、今までにも増して本当に長かった。特に12月は、ゴールは見えているのに、走れど走れど、クリスマスにたどり着かなくて、マラソンで言えば、40キロ以降、永遠に近くならないゴールに向かって、最後の2.195キロを、朦朧としながら走っているようで、本当にきつかった。

 

25日の午前零時に教会の鐘がごーんごんごんと街に鳴り響き、やっと、クリスマスのゴールに突入したときには、もう、明けましておめでとうございまーす、さようなら2006年!と叫びたいくらいのものだったけれど、実は、まだ2006年が1週間も残っているのであって、本当の1年のゴール大晦日が来るまでの6日間、これがまた、へとへとに長かった。

 

それでも終わらない年はなくて、無事大晦日。部屋の窓から、ブランデンブルグ門を中心に町中に上げられる花火を見ながら、ともあれ、2006年を無事完走したことに、感慨深く万歳三唱。これは、同じように、長い長い長い長い2006年を完走し、10年来の共同プロジェクトの続きを進めるために、訪ねて来てくれていた、スイス人ジャーナリストの友人と分かち合った。

 

年末から正月三が日にかけて、高校時代の同級生がベルリンに来ていたこともあって、久しぶりに、何年ぶり?十何年ぶり?え、机を並べてから30年?という話の続きをしたりして、楽しく過ごした。ここ数日は、彼女が持ってきてくれた本を、朝から晩まで読んですごす寝正月。同じ本を読んで高校時代をすごした人が持って来てくれた本だけあって、読みたいツボにはまる本ばかり。インターネットで日本語が読める時代とはいえ、日本の本には、いつも飢えている。3日間で、文庫本を12冊読んだ。そのうちの3冊は、1冊が600ページ近くある、佐藤愛子の「血脈」上、中、下3巻だったから、頭の中は、久しぶりに日本語のご馳走で満腹。これぞ、日本人の正月にふさわしいすごし方。満足この上なし。

 

今、英語や、イタリア語の本を読むのは、そう苦にはならないけれど、これだけの量を3日で読め、と言われたら、絶対無理だ。こんなに、がばっ、がばっ、と大口開けて、一気に、いくらでも読めるのは、やっぱり日本語だけだと、つくづく思う。

 

明日からは、また、ご馳走の山の前にいながら、小さなスプーンしか持っていないようなジレンマの固まりの、ドイツ語との格闘が始まる。昨年1年は、大いに怠けて、大抵のことを英語で通してしまったけれど、だんだんドイツ語も聞こえてくるようになったので、そろそろドイツ語にも本腰を入れねば。旅行者用のドイツ語でできることには、限界あり。3日坊主とはわかっていても、いちおう新春初心表明。

 

これからまた、長い長い2007年マラソンが始まります。本年も無事完走できますように。

皆様にも、健康で素敵な1年を!

 

阿部 雅世公式サイト MasayoAve creation  www.macreation.org

 


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井の頭・浜中

阿部さん、お久しぶりです(^^)
明けましておめでとうございます。
ブログいつも楽しく読ませていただいています。

2006年暮れは日本人らしく雪吊りや門松を作り、
藁で縄をなって宝船を作ったりして過ごし、
日本人としてはなんだかなあと思いながら、
正月二日から重い足をひいて仕事に行きました。

昨年はワークショップで大変お世話になりました!!
今年も野草研究家として(?)何かお手伝いができたら嬉しいのですが・・。
それがたとえベルリンであったとしても、すっ飛んで行く覚悟です!!

どうぞ本年も宜しくお願い致します。
by 井の頭・浜中 (2007-01-08 21:37) 

阿部雅世

浜中さん、
こちらこそ、オペラシティーのワークショップではお世話になりました。
SPIRIT GARDEN また、やりましょうね。
いま、エストニアとブラジルに、種まきの準備をしています。
日本でもチャンスを見て、続けてゆきたいです。
木と同じで、プロジェクトが育つのに時間がかかりますけど、
野草のようにしぶとく、毎年芽が出てくるプロジェクトにしたいと
思っていますので、どうぞ、また、木と草の先生として力になってください。
よろしくお願いします。
by 阿部雅世 (2007-01-12 00:39) 

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