SSブログ

嵐のあと

2009年が始動してから8か月半。どうやってここまで走ってきたのか、意識も朦朧としているような感じだけれど、ともあれ一つ大きなゴールにたどりついて、やっとブログに復帰。

いやはや、ほんと。おかえりなさい、私。

続きを読む


nice!(1)  コメント(2) 

2009年始動

気がつけば、2009年元旦停車駅をとうの昔に乗り越して、2009年も、すでにベルリン-タリンを一往復の全力疾走。なんとも区切りときまりの悪い1月18日だけれど、ともあれ、新年おめでとうございます。本年も、どうぞよろしくお願いします。

i500-HappyNewYear2009.jpg

 

続きを読む


nice!(1)  コメント(1) 

SPIRIT GARDEN 2008, Shizuoka

この7月31日、8月1日は、静岡で、子供のためのデザインワークショップを開き、駿府の小学1・2年生26名と力をあわせて、廃校になった小学校の建物に命を吹き込む「魔法の庭」をデザインした。今年一番の大作。プロジェクトのタイトルは、スピリット・ガーデン2008。

思えば、緑に飢えていたミラノ生活から生まれた「小さな現代庭園」を、ガーデン・クロッシングという、これまた小さな展覧会の中で、こっそりデザインしてみたのは、2004年の秋のこと。

2004gardencrossing.jpg

そのアイディアは、それから2年醸造されたのち、2006年に、子供のためのデザインワークショップ 「スピリット・ガーデン2006」として、東京オペラシティーアートギャラリーの主催で実現した。それは、身近な自然に隠された不思議を、五感をフルに使って観察することから始め、子供達の持つ、知りたいという気持ちや、分かる喜び、伝えたいという気持ちを、プロジェクトの中に発揮させるデザイン・ワークショップで、子供達もスタッフもいっしょになって、デザインチームを作り、一つの庭を仕上げるという試みだった。

i225-i-2006_sg_tk0298.jpg

そして、最初の粟粒のようなトライアルから、4年が過ぎた今回は、静岡市クリエーター支援センター(the center of creative communications CCC) の主催で、「魔法の庭」を制作する機会をいただいた。


SpiritGarden2008,Shizuoka
子供のためのデザインワークショップ 「スピリット・ガーデン2008」

指揮: 阿部雅世 
(建築家・デザイナー 国立エストニア芸術大学教授)
野草観察指導と庭園監修: 浜中和晴
(庭師・野草研究家 井の頭自然文化園施設係主事農園芸職員)
プロジェクトメンバー: 駿府の小学1・2年生 26名
制作アシスタント: 花澤啓太 繁田和美 堀澤真弓 
企画制作・主催: 静岡市クリエーター支援センター 

i_SG2008_pressphoto00.jpg

以下は、その制作ドキュメントから抜粋。できたてのほやほやです。

続きを読む


nice!(0)  コメント(1) 

更 新

2008年も、8月の真ん中に来て、もう、これ以上更新しないのは、あまりといえば、あまりなので、更新。

続きを読む


nice!(1)  コメント(0) 

ベルリン元旦初雪景色2008

あまりの長さに、もうクリスマスで切り上げてしまった2007年も、ついにゴールいたしました。万歳三唱。

やっと2008年です。明けましておめでとうございます。

 

ベルリンでは、個人が花火を打ち上げるのは、年末年始の数時間だけしか許可されていないので、その反動か、ニューイヤーの始まりには、ここぞとばかりに、ものすごい数の花火が、町中で打ち上げられる。ベルリン市が打ち上げる、ひときわ盛大な花火の打ち上げ会場でもある、ブランデンブルグ門の周辺は、ニューイヤーパーティー会場と化し、そのためにヨーロッパ各地から集まってくる若者の数もすごいらしい。とはいっても、とてもとても、その人ごみに出てゆく気はしないので、部屋の窓からティアガルテンの森越しに花火見物が、私の年越し。夕方8時を過ぎると、あちこちで、ひっきりなしに爆竹と花火の音が響きはじめ、猫は、奥の奥の部屋の机の下の奥のほうに、体を固くして引っ込んでいる。この音は、怖いよね。

続きを読む


nice!(0)  コメント(1) 

Merry Christmas

21日夕方のフライトで、エストニアのタリンからベルリンに戻ってきた。本年最後のフライト。今頃のエストニアは、日の出が、9時18分、日の入りが 15時22分。一番夜が長い時期なので、夕方5時半のフライトは、すでに夜間飛行。この日は、久しぶりに晴れて、雲のない日だったので、限りなく黒に近い濃紺の空にむかって、飛行機は離陸し、ゆっくり旋回する窓からは、湾曲する海岸線に縁取られた小さなタリンの町が、宝石箱をひっくり返したように、きらきらしているのが見えた。町の通りには、驚くほどでもない、質素なクリスマスイルミネーションが飾られているだけだったのに、空から見るとこんな風に見えるんだ。なんだか泣けてくるほど美しい。高度300メートルくらいだろうか、町の骨格や建物も、光に縁取られて、はっきり見える。旧市街の門の外の広場から、花火が上がった。何のお祝いかわからないけれど、万歳。エストニアでの私の一学期も、無事終了。万歳。万歳。

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

銀楓

すっかり冬の気温になったベルリンだけれど、森の中では、まだ秋の名残が、言葉にならないくらい美しい姿を見せている。花の季節とはまた別の、色彩豊かな冬の始まり。毎年、秋と冬の境目の、ほんとにわずかな数日間、森の中にいくつもある水路の水面は、小さな小さな水草にびっしりと覆われて、苔色のカーペットを敷き詰めたような、不思議な光景になる。銀楓の葉っぱは、黒に近い濃い赤から、明るい黄色、緑まで、いろんな色で落ちてくる。葉っぱの裏は白っぽく、顕微鏡で見ると細かい毛が生えていて、そこに水玉が沢山ついて、きらきらしている。この森の中で、一番のお気に入りを上げるとすれば、この銀楓の葉っぱかもしれない。

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

冬の到来

ヨーロッパを、南北に反復移動して、季節を行きつ戻りつしつつ、働き続ける2007年の秋。毎週どこかで強化合宿をしている、プロの陸上選手みたいな生活。

10月の第2週には、季節の時計を2ヶ月も元に戻したような、日中の気温は25度というローマへ飛び、1週間のデザイン・ワークショップを行った。久しぶりにイタリアの喧騒とカオスと戦いつつ、デザインプロジェクトを仕上げる。これは、なかなかヘビーで、ベルリンに戻った次の朝は、全身打撲状態。体中が痛い。あらためて、イタリアって、本当にヘビーな国だったんだなあと思う。みしみしと起き上がって、窓から眺める静寂のベルリンの森は、紅や黄色に染まり始めていた。

それから1週間おいて、エストニアに飛ぶと、今度は、季節の時計が1ヶ月進んでいて、落ち葉の季節はすでに終わっており、冬の梢の下を、現地の人は、すでにオーバーコートに手袋に帽子という冬のいでたちで歩いていた。1週間後、ベルリンに戻ると、目の前のポプラの木は、黄金色の葉っぱを、絶え間なく振り散らして、晩秋の落ち葉は、森の小道をすっぽりと覆っていた。そんなベルリンの秋の終わりを見届けることなく、また1週間後、エストニアに飛ぶと、ランディング間近の飛行機の窓から見えるエストニアの土地は、すでにうっすらと雪に覆われていた。聞けば、1日前に初雪が降ったという。

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

エストニア始動

気がつけば、石畳の上にも18年である。タイトル更新。9月から、エストニアの首都タリンにある、エストニア芸大に、プロダクトデザイン学部長兼教授として、ベルリンからの飛行機通いが始まった。国外の学校や企業とのネットワークを強化して、新プロジェクトを立ち上げる、というのが、学部としての最優先課題なので、エストニア最強の秘書とアシスタントとのチームワークに支えられて、学内での仕事は、1ヶ月に1度、1週間にまとめてこなし、あとは、インターネット、スカイプ、携帯電話などの文明の利器を、300%活用して、遠隔操作でこなしているけれど、なにしろ、良く考えたら、知らない国の、知らない大学で、学部まるごとを引っぱる仕事をひきうけてしまったわけで、当然のことながら、エストニア滞在中はパワー300%全開の、休憩なしで1日18時間労働という感じ。

ベルリン、タリン間の飛行時間は、1時間半だけれど、帰りは飛行機の座席に座るなり気絶。で、一瞬の後、目を開けると、もうベルリンの空港についているという状態で、これはほとんどワープである。近いなんてものじゃない。さっき、タリンの石畳の上を歩いていたのに、気がつくと、同じ自分が、ベルリンの石畳の上を歩いているのは、まぎれもない現実である。ああ、これぞまさに21世紀だなあ、と思う。

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

天使の羽 その後

6月、7月は、ヨーロッパには珍しく、雨の日が多くて、森は、これ以上ないほどに、緑が茂った。その間、なつかしいような蒸し暑い日が、何日かあっただけで、8月には入ると、もう秋の気配。ベルリンは夏らしい日のない夏だったけれど、ハンガリーやギリシャでは、死者が出るほどの猛暑だったから、こういう温暖化の時代にあって、夏が暑くならないことは、ありがたいかぎりで、もう誰も文句を言わない。

続きを読む


nice!(0)  コメント(6) 

天使の羽

春の若葉が出尽くして
すっかり冬から抜け出した
五月のベルリンの森には
天使の羽が沢山落ちている。

なぜ天使の羽が
落ちているのかというと
空中を飛び回っていた
透明な小さな冬の天使たちが
一斉に羽根を脱ぎ捨てるからだ。

続きを読む


nice!(1)  コメント(2) 

春疲労解消法

年齢とともに、坂がきつくなり、荷物が重くなるということか。一日が、一週間が、一ヶ月が、一年が年を追うごとに長くなる。大学の新学期が始まり、ハノバーの技術フェアで新技術の仕入れをし、ミラノのサローネに行き、と、バタバタとしてはいたものの、そうしんどいことをしたわけではないのに、4月はえらく長かった。やっと5月に入った。2007年マラソンは、やっと3分の1を超えたところ。今年もまだまだ長いなあ。ともあれ、3分の1は、無事超えたのだ。万歳三唱。

気がつけば、あたりはすっかり初夏の陽気で、朝5時半には、もう窓から朝日が差し込んでくる。数ヶ月前には、夕方4時半には、煌々と満月が昇ってきていたのに、今は、真っ暗になるのは、夜9時半を過ぎてからだ。ドイツには、「Früejahrs Müdigkeit 春疲労」という病名があるというのを、新聞で読んだ。春になって急に日が長くなり、そこに夏時間の調整も加わると、季節の変化に体がついていけなくなって、倦怠感がピークに達する、そういう症状を言うらしい。4月がしんどかったのは、そのせいかもしれない。

続きを読む


nice!(2)  コメント(1) 

何が呼ぶのか、北へ北へ

人生の更新に、ブログの更新が追いつかない。あれこれの仕事がわんこそば状態の2月を終えるなり、今度は、バルト3国の一番北にある、エストニアに行ってきました。ベルリンから北へ1時間半のフライト。フィンランドのヘルシンキから、海を隔てて100キロ南にある、エストニアの首都タリンに9日間滞在して、展覧会をひとつ開けて、セミナーひとつと、1週間のデザインワークショップをこなした。

 

いろんな国から、呼ばれては出かける、という形で、ずいぶん仕事をしているけれど、ある時期は、やたらとフランスから呼ばれたり、またある時期はドイツからばかり呼ばれたり、それから、急に日本からちょこちょこと呼ばれるようになったり、呼ばれ方にも、不思議なトレンドがある。エストニアは、ここ1年半の間に、もう4回め。ここしばらくは、私におけるエストニア年という感じだ。

続きを読む


nice!(1)  コメント(0) 

ドイツ語満腹道場延長戦

近所の図書館から借りていた音楽CDを、返しに行った。この図書館からは、CDやDVDなら2週間、本なら4週間借りることができる。本は希望すれば、さらに2週間の延長が可能である。

 

貸し借りの際には、メンバーズカードを提示する。そうすると、受付の女性が、その中の情報を、レーザーでピッと読み取ってくれて、今、何を借りていて、いつまでに返さなければいけないかが、受付の画面に出る。CDを返却するのに、ピッとカードを読みこんだら、私の名前の下に、2月6日までに返すことになっている「30日で学ぶドイツ語」が出た。

 

受付の女性は、私の顔と、このタイトルを、ちらりと見ると、「こちらの本、2週間延長しておきましょうか。」と、優しい看護婦さんのような調子で、言った。そりゃ、30日でドイツ語はものにはならんわねえ。どう考えても。Ja, gerne イエス、プリーズ、お願いします。」

 

というわけで、自分に大甘。締め切りも待たずに、満腹道場は延長戦持ち越し。

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

ハリケーンの長い長い一日

ハンブルグ工芸美術館で、テキスタイルデザイナー須藤玲子さんの展覧会 「2121TEXTILE VISION OF REIKO SUDO AND NUNO」 が開かれている。須藤さんとは、HAPTICの本のための座談会でご一緒した時に、初めてお会いして、その後、いろんな本や雑誌で、作品を拝見したけれど、実物のテキスタイルを見る機会はなくて、いつか見てみたいなあ、と思っていたところ、この展覧会を企画しているレスリーミラーさんから、18日夜6時からのオープニングの招待状が届いた。

 

須藤さんご本人も、日本からいらっしゃるという。そんな素敵な機会はめったにないので、1泊でハンブルグに行くことにして、電車とホテルの手配をし、楽しみにしていたら、18日は、朝から土砂降りの大雨。ベルリンでは、霧雨のような雨か、通り雨のような雨ばかりを体験していたので、こんなに降るのは珍しいな、と思って、インターネットのニュースを見ると、ハリケーン情報がでていた。ハリケーンとは、大陸の上で暴れる台風である。ベルリン、ブランデンブルグには、18日夜ご到着、という予報。夕方から風が強くなるという。

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

ドイツ語満腹道場

昨日、今日と、ベルリンでは、日中の気温が15度を超えて、まるで春の陽気。昨年の今頃は、マイナス15度を記録して、森も、小道も、キンキンに凍っていた。たくさん雪が降ったわけではないけれど、気温がマイナスだと、太陽が出ても雪が解けない。森の中の水路や池には、厚い氷が張って、スケートができた。凍った雪の上には、たくさんのウサギの足跡が、ちいさな鋳型のように凍りついていた。白々と夜が明けるころ、冷たい水の中に泳ぎだすように、ひっそりと凍った空気の森を散歩するのは、とても素敵だった。小道のあちらこちらに、芸術的な雪だるまが、モランのように立っていて、餌場に行けば、かならず赤い尻尾のリスがいた。今年も、そういう冬を楽しみにしていたのに、すっかり拍子抜けの暖かさ。まだ日は短いから、冬なのだけれど、日中の外を歩くと、うっかり、体のあちこちから、芽が出てしまいそうだ。本当に今年は、冬が来るのかしら。

 

新春の決意が消えないうちに、改めてドイツ語に取りかかる。ベルリンで、取り組みたいプロジェクトは、山のようにあるのだが、このへんで、ともかく言葉を何とかしないと、お話にならないよう。外付けハードディスクのように、増設できる脳みそがあればいいのに、このメモリーいっぱい旧式の脳みその中に、むりやりいれようとしているのだから、立ち上がりは遅いし、フリーズするし、もしかしたら、もう無理なのかしら?と100回くらい思うけれど、人が言っていることはわかるようにはなってきたのだから、ここで、単語も例文も、一気にごくごくと飲み込んでしまえば、なんとかなるのだ・・・、と信じて、また、何十回目かの再挑戦。

続きを読む


nice!(0)  コメント(1) 

2007年謹賀新年

ちっとも冬らしい温度にならぬ暖冬のまま、ベルリンの2007年も、無事明けました。

おめでとうございます。

 

ヨーロッパの冬休みは、日本と1週間ずれている。こちらのクリスマス休みが、日本の正月休み、という感じ。1224日クリスマスイブが大晦日、カトリックかプロテスタントなら、夜中に教会のミサにいそいそと出かけてゆくところも、初詣に良く似ていて、そして、25日クリスマス当日が、家族が集まってご馳走を食べる元旦、それから、親戚周りの三が日が続き、そろそろご馳走にも飽きたころ、友達とお正月あけの新年会を、新年の花火でハッピーニューイヤー!と祝って、一晩ドンちゃん騒ぎ、1日はぐっすり寝て、2日から仕事始め・・、というのが、典型的なクリスマス休みの過ごし方。私を含めたクリスチャン以外の人にとっては、初詣も、親戚周りもないけれど、ただただありがたき、冬休みだ。

続きを読む


nice!(1)  コメント(2) 

朝食のはなし

東京で暮らしていたときは、忙しいと朝食を飛ばしてしまうこともあったけれど、ヨーロッパへ来てから、朝食を抜く、ということが、なくなった。なくなったというよりも、朝食なしでは、スタートできない、というのが正しいかもしれない。だいたい、前の晩にどれだけ食べても、毎朝、あまりにも腹ペコで目が覚める。腹ペコでもう寝ていられないので、起きてしまう。朝5時に家を出て、一番の飛行機でどこかへ出かける、というような時以外は、目ざまし時計もいらないくらいである。17年たっても、外国で生きてゆくということは、自分で考える以上にパワーのいることらしい。だから、ここ異国での生活に、朝食は欠かせないのだけれど、その日の活動に一番効く朝食メニューというのは、その土地、その土地によって、違うような気がする。

続きを読む


nice!(1)  コメント(0) 

ニーマイヤーハウス生活1周年(2)

12月に入って、ますます日が暮れるのが早くなる。午後4時半、もう窓の外は真っ暗で、暗い森の上に煌々と満月が昇ってくるのが見える。

 

この週末には、ヴァイナハト・パーティーという、ニーマイヤー・ハウス住民の恒例のクリスマスパーティーが、共有のギャラリースペースで開かれた。それぞれが、自分の家で作ったお菓子を持ち寄って、飲み物は、コーヒー、紅茶で始まって、ビール、シャンペンも用意されて、いつもは、廊下やエレベーターで、急ぎ足ですれ違って挨拶をするだけの住民も、この日、ここに集まっておしゃべりをする。子供たちもやってきて、プレゼントをもらう。去年、ちょうど引っ越してきた日が、このパーティーの日だった。だから、このヴァイナハト・パーティーが、私のニーマイヤーハウス1周年記念パーティーだ。

続きを読む


nice!(0)  コメント(2) 

ニーマイヤーハウス生活1周年(1)

ミラノから、このベルリンのニーマイヤー・ハウスに引っ越してきたのは、ちょうど去年の昨日だった。私におけるニーマイヤー・ハウス生活一周年記念である。万歳三唱。

 

去年のほうが、気温はずっと低かったような気がするけれど、高い青空、同じ快晴。ミラノでの地獄のような引越しパッキングの日々を終えて、猫とサムソナイトとともに、このベルリンのニーマイヤーハウスの前に、タクシーで降り立ったときの、新鮮な冷たい空気のにおいと色は、今もよく覚えている。

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

イタリアで身につけた健康法

外国暮らしが長くなって、ずっと日本の食事から遠ざかった生活をしている。それでも、思えば17年もの間、病気ひとつせず、人間ドックに入れば医者も驚く極上の健康数値を保って、デザインという、やたらと体力と気力と瞬発力と持久力の必要な仕事を続けてこられたのは、ひとえに16年のイタリア生活で身につけた3つの食習慣のおかげだと思っている。

続きを読む


nice!(1)  コメント(5) 

晩秋の森とニュートンのりんご

昨日からヨーロッパは冬時間になって、日曜日の間に、時計を1時間戻す。それでも、月曜の朝6時は、まだ真っ暗で、ちゃんと時計を正しく直したか不安になる。ヨーロッパでは、夏時間を採用していることと、日本よりもずっと北にあるせいで、真夏は夜10時すぎまでたっぷりと明るいのに、真冬は午後4時過ぎにはどーんと真っ暗になってしまう。9月から10月にかけては、坂道を転がるように、目に見えて日が短かくなった。先週は、GLASSTEC2006 という「国際ガラス製造加工機材展」なるものを見に行くために、朝始発、夜最終の飛行機で、ベルリン-デュッセルドルフを往復した。真っ暗なうちに出かけて、真っ暗な中を帰ってくるという日帰り。帰ってきた翌朝、目が覚めると、窓の前の大木の葉っぱが、たった1日見ないうちに、全部黄金色に変っていた。葉っぱが乾いてくると、葉っぱの表面が光を反射しやすくなるのか、それとも、細かい朝露がまだ葉っぱの表面に残っているのか、朝日をうけると、葉っぱはきらきらと光って、まるで、たくさんの秋の子供たちが、こちらに向かって一斉に手を振っているようだ。

続きを読む


nice!(0)  コメント(2) 

ベルリンのうさぎ

たとえて言うなら「米俵を背負ってトライアスロン9試合連続出場」とでもいうような、43年10ヶ月の人生の中でも前代未聞のタフな夏を無事完走し、2つのワークショップを含む、9つのデザイン・プロジェクトをこなしたところで、ブログ復活。1試合ならともかく、9試合連続で結果を出さねばならぬとなると、まず走ることで精一杯で、それを消化して言葉にする機能にまでは、栄養が行き渡らなくなるらしい。言葉は一片も、自分の上に降りてこなかった。ともあれ無事完走。ひとり万歳三唱して、一晩眠って目が覚めると、背負っていることすら忘れていた巨大な米俵は肩の上から消えていて、信じられないくらい体が軽い。その軽い体で、また、頭の上にはらりはらりと言葉が降りてくるようになったのを感じながら、家から外に出ると、その足元のあちらこちらで、熱心に草を食べているのは、ベルリンのうさぎである。

続きを読む


nice!(2)  コメント(0) 

猛暑襲来2006

扇風機を買った。考えるのはもとより、書くだけでも暑苦しさが倍増するような気がして、いままで暑さについては一言も書かなかったが、実は、途方もない猛暑のベルリンである。

 

ヨーロッパ、特に北ヨーロッパの夏は、だいたい6月から7月にかけて、猛烈に暑い日が10日くらい続いて、あとは、潮が引くように涼しくなってしまうので、個人で、家に冷房を入れている人は少ない・・・、というのは、10年位前の話で、ここ10年くらいの間は、温暖化を肌で感じるように、ありえない猛暑が、数年おきにヨーロッパを襲ってくる。家庭用の冷房器具も、店頭に並ぶようになった。

続きを読む


nice!(1)  コメント(1) 

中古自転車と「本当の豊かさ」(2)

そういうわけで、手に入れたいのは、私に似合うサイズ、スタイルで、昨日まで乗っていました、という感じに使い込まれた中古自転車。なにしろ、これだけの自転車天国のベルリンだから、その気になって町で観察すると、実にいろいろな自転車がある。

 

前2輪、後1輪、または、その逆の、大人用三輪車で、相当のものを運べる、実用一筋といった自転車(魅力的!)もあるし、ペダルが自転車の正面についている車体の低い自転車に、仰向けに座って、というよりも寝て、「バックでバタ足」のようなスタイルで漕いでゆく、アクロバット的なものもある。

 

小さな子供2人が並んで座れるフード付きの、おしゃれな小型リヤカーみたいなものを、自分の自転車の後ろにくくりつけ、朝、幼稚園まで颯爽と飛ばしてゆくお母さんも、よく見かける。人力車である。

続きを読む


nice!(3)  コメント(1) 

中古自転車と「本当の豊かさ」(1)

ベルリンで、市民の足は自転車である。どの通りにも、赤い色で塗られた自転車専用のレーンが歩道と車道の間にある。ベルリンは、ほとんど坂らしい坂のない都市。自転車専用レーンは、ローラースケートを履いた人や、電動車椅子の人も使っている。歩行者や車を気にせずに、すいすいと道を走ってゆけるなんて、夢のような快適さだ。

続きを読む


nice!(2)  コメント(3) 

デザイン馬鹿の日曜日

家から自転車で20分ほどのところにある、大きなスーパーマーケットの巨大な駐車場スペースが、日曜日には蚤の市になる。蚤の市というよりは、がらくた市。学生曰く、ベルリンで一番ワイルドな蚤の市。天気がよくて、特別な予定が入っていない日曜日は、朝から、いそいそとこの市に出かける。クリスチャンが、日曜日のミサに通うのと同じ熱心さで、毎週通う。

続きを読む


nice!(2)  コメント(2) 

ゆばーばのごとく、ぜにーばのごとく

学年末を迎えようとしているので、今週は、学生とのミーティングの嵐。

 

ベルリン芸大での仕事は、全員でひとつのデザインプロジェクトをまとめるワークショップでスタートしたけれど、そのあとは研究室としての研究チームと、卒業に向かってそれぞれがプロジェクトを進める学部生の講座に分けて、新学科を指揮している。

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

外国語の習得

夜9時を過ぎたあたり、部屋の窓ごしに、虫の羽音のうなりのような、低いブーンウンウーンウンという音が聞こえてきた。音は、もっと低くなったり、時々高くなったりしながら、ずっと続いている。

 

何の音だろう、と思って耳を済ませたら、なんと近隣すべての世帯から聞こえてくるサッカー中継の解説の声が、共鳴してかどうか、そんな音になっているのだった。地の底から沸いてくるような音で、それが町中に響き渡っている。

続きを読む


nice!(1)  コメント(0) 

ワールドカップの楽しみ方と怖いもの

ベルリンに住んでいるから、ワールドカップ盛り上がっているでしょう、というのが、このところ日本から受け取るメールの枕詞になっているので、今日はワールドカップの話。

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。