SPRING GAEDEN 春の庭
ずっと雪景色が続いたドイツの冬は、振り返り、振り返り、ゆっくりと遠ざかり、ベルリンのティアガルテンにも春がやってきた。日本の春は、梅の香りや、桜の花びらになって、ふわふわと空中を漂いながらやってくるけれど、北ヨーロッパの春は、地面から突然生えてくる。
わっ。
2010年3月21日 にょき
にょきにょき
にょきにょきにょき
2010年3月28日 そしてこんな風に、わっ。
クロッカスもいきなり出る。にょき。
こんなところからも わっ。
「クロッカスや水仙が・・・」というのは、北ヨーロッパの児童文学の春の情景に、よく出てきたけれど、なんとなく春の小川の水辺の情景を思い描いていたので、こんななんでもないところに、いきなりにょきにょき出てきて、花を咲かせたのを見たときは本当に驚いた。
だいたい水仙やクロッカス、ヒヤシンスと言えば、東京育ちの身には、小学校の水栽培の定番の花くらいの記憶しかないから、昨日までは何もないような感じだったところに、いきなり見事な水仙が咲いたのを初めて見たときは、夜中に誰かが植えたんじゃないかと、本気で疑ったものだ。でも、球根のものというのは、土が合えば毎年でも生えてくるものらしい。そんなことも、はるばるドイツまでやってきて、この年になって初めて知る。
もうすぐチューリップも、いきなり出るはず。これは2008年4月28日の写真。
そこから先は、加速度がついて、急に初夏の様相になる。
まだ空気は冷たいけれど、新しい季節は確実に始まっている。
阿部 雅世公式サイト MasayoAve creation www.macreation.org
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